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特集

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一夜を神と遊ぶ高千穂の夜神楽- たかちほのよかぐら -

民家に氏神を招き、三十三番を朝まで舞い踊る

天岩戸(あまのいわと)伝説の地に息づく演舞

 夜8時。神話の故郷である高千穂の総社「高千穂神社」で、国の重要無形民俗文化財「高千穂の夜神楽」の定期公演(高千穂神楽)が始まる。1時間かけて舞われるのは、700年の歴史を持つ三十三番の演目のうち、代表的な四番。天鈿女命が踊り、手力雄命が岩戸を怪力で開け放つ「天岩戸伝説」が、能を思わせる厳かな舞で語られる。
 定期公演は毎日開演されるが、本来は、年に一度の五穀豊穣神事。民家に神を招き、夜通し神楽を楽しむ「神遊び」が原型だ。現在も秋から冬にかけて20の集落で舞われている。

御神体の舞(イメージ)

御神体の舞(イメージ)

観客も氏子になって楽しむ

 「地元の人だけでなく、観客が『一夜氏子』となって一緒に楽しむのが高千穂の夜神楽の醍醐味」と高千穂町企画観光課の谷川祐一さん。自然との一体感も魅力で、岩戸が取り払われ、天照大神が現れる舞が披露されるころ、地上に光があふれるかのごとく、白々と夜が明けゆく。
 「好きで舞い始め、途中から夢中になってもう40年。生涯練習だと思うほど奥が深い」と神楽保存会会長の藤崎康隆さん。定期公演は15集落の輪番制。一夜ごとに担当集落が変わり、里ごとの舞の違いが堪能できる。

高千穂神楽 定期公演 会場:高千穂神社神楽殿

住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井1037
電話:0982-73-1213(高千穂町観光協会)
時間:20:00〜21:00
休み:11月22・23日は高千穂神社の神楽まつりのため定期公演は休
費用:700円 
交通:博多駅から宮崎交通高速バスに乗り換え「高千穂バスセンター」下車、
   徒歩約15分。または熊本駅から宮崎交通特急バスに乗り換え
   「高千穂バスセンター」下車、徒歩約15分
URL:高千穂町観光協会のサイトへ遷移します。

高千穂神社神楽殿地図

誌面で語りきれなかった「高千穂」の魅力をご紹介!天岩戸伝説の残る神の里、高千穂

「面」こそが神様

 高千穂神楽の定期公演が行われる高千穂神社。開演が近づく19時過ぎになると、神社の参道にぽっかりと燈明(とうみょう)がともされます。「こんばんは〜」。夜闇を縫って、一人、また一人と現れるのが「奉仕者(ほしゃどん)」と呼ばれる神楽の舞手。皆さん、地域で普通に生活している地元住民の方々です。「ちょっと太ったか?」。そんなフランクな会話を交わしながら、手早く着替えていきます。しかし、面を着けるころに雰囲気は一転。和やかだった空気がピンと引き締まります。
 高千穂神楽にとって、顔に付ける「面」こそが神。現在、20近い集落で神楽が舞われていますが、面の古さも表情も地域によって少しずつ違うのだそうです。その土地の民俗を色濃く映しているんでしょうね。

高千穂神社の定期公演で使用される「面」

高千穂神社の定期公演で使用される「面」

石見神楽プロジェクト日高均会長

 

「神庭」には神秘がたっぷり

 神楽が舞われる舞台は「神庭(こうにわ)」と呼ばれています。初めて見た人は、陰陽道にも似た神秘を感じるのではないでしょうか。
 神庭には、決まりがあります。四方を「彫り物(えりもの)」という紙細工で囲い、さらに「七五三縄(しめなわ)」をあしらいます。よく見ると、縄の束が3本、5本、7本になっていて、文字通り七五三縄なのです。彫り物が表現するのは、十二支や木火土金水など、神仏混合や陰陽五行を感じさせるもの。さらに舞台奥には、天照大神が隠れた岩戸のセットがあり、「神の物語がここで演じられるのだ」と心が躍ります。

棚田とともに生きる人

 「私たちが手に持って舞うのは『弊(ひ)』といい、何を持つかで願い事が変わります」と神楽保存会会長の藤崎康隆さん。例えば、五穀豊穣、悪霊退散など、里の人々の祈りが込められています。
 ところで、どうして高千穂でこのような伝統神楽が受け継がれたのでしょう。その理由は、高千穂の里をめぐってみて、おぼろげながら見えた気がしました。高千穂は、急な山肌に広大な棚田が広がる地域。田畑が自然に抱かれているといった感を受けます。「あの急な斜面を、80代の農家のおばあちゃんが上がっていくんですよ」と地元の若手農家。厳しい環境で育てるからこそ、豊作への願いもひとしおだし、それがかなったときは、神楽を舞って神とともに喜ぶ。そんなシンプルな信仰心を強く感じました。

高千穂の棚田の風景

高千穂の棚田の風景

神の里で生まれたどぶろく

 山に囲まれ、おいしい米ができ、名水が湧き出る高千穂。この地にUターンし、どぶろくづくりを始めた二十代の女性がいました。彼女とその家族が造ったお酒が「千穗まいり(300ミリリットル880円)」です。甘くてトロリとした、女性にこそ飲んでほしいどぶろくです。「日本で唯一、鬼門を向いて建っているといわれる地元の秋元神社に、御神水が湧いています。その水と同じ湧き水で醸しているんですよ」と醸造元の高千穂ムラたび。一口飲むと、高千穂の清らかな自然が語りかけてくるようです。高千穂を訪れた際のお土産にいかがでしょうか。

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