こんにちは。
日頃、InstagramなどのSNSでお散歩や旅の記録を残している博多在住のセミです。
突然ですが、私は今「福井県の鯖江市」にきています。
眼鏡がいっぱい。
福井県鯖江市は眼鏡が有名なのです。
福井県に来たきっかけ。
それはアオタビの編集者さんに、北陸で開催される2つの伝統工芸イベント「RENEW 2022」と「GO FOR KOGEI2022」を教えてもらったから。

セミちゃんのリールみたいなレトロな世界観が好きな方が、すごく好きなイベントだと思うよ。ダイナミック・カラフル・体験型…みたいに、伝統工芸を現代でも楽しめるように工夫されているの。
GO FOR KOGEI2022のインスタグラムアカウント

すごい…!

旅をしながらレトロな「クラフトワーク」を見たり体験したりできるって考えると、ワクワクしない?
RENEW 2022のインスタグラムアカウント。素敵…!
「思い立ったが吉日」という言葉を信じている私。
気がつけば博多から若干の長旅を経て、鯖江駅に降り立っていました。
旅のお供は愛用しているフィルムカメラ。

齢26歳の私よりも先輩、1990年生まれのカメラです。
今回はRENEW 2022が開催される鯖江市・越前市周辺を旅することに。
レトロな愛機 × 現代人の私の視点を通して、伝統工芸の新しい魅力を発見できるといいな。

◆和紙作り体験 ─ 越前和紙の里

今回初めて知ったのですが、福井の伝統工芸といえば「和紙」は外せないのだそう。
そこでまずは和紙について教えてもらいに、越前和紙の里の卯立の工芸館に行きました。
和紙には、3つの植物の皮を使うんだって。

楮、三椏、雁皮…
三椏しか知らなかったなぁ。
そして和紙にするために、ひとつひとつ丁寧に手作業で不純物の取り除きを繰り返す。

そこからさらに1時間~2時間、皮を叩きます。

私も叩かせてもらったんだけど、10回でもうヘトヘト…。
このあと様々な工程を経て、和紙が仕上がることを学びました。
一通り教えていただいた後、紙すきも体験します。

卯立の里からすぐの場所にある「パピルス館」で、紙すき体験ができます。
学生時代、美術2の成績だった私にはドキドキの体験。
うまく仕上がってくれるといいなぁ。

ポストカードを作ってみました。
乾くのを10分程待って、完成!

ど、どうかな…??
秋っぽい雰囲気に仕上がりました!
可愛くできて嬉しい。
◆日本でここだけの神様 ─ 岡太神社・大瀧神社
和紙を乾かしている間、紙の神様が祀られている神社「岡太神社・大瀧神社」へお散歩に行きました。

「パピルス館」から徒歩圏内にあります。
ここは日本で唯一「紙の神様」が祀られている神社。
約1500年前、この土地に流れる岡太川の上流に一人の美しい女性が現れて、村の人々に次のように言ったのだそう。
「ここの土地は、残念ながら田畑を作るのには適していないけど、水は綺麗だから紙を漉いて生計をたてることができますよ。私が紙の作り方を伝授しますね。」
以来、村の人たちは紙漉きを始めるように。
そしてこの神社にその女性を祀ったのだとか。

つまり、1500年も前から和紙の文化が続いてるのね。

ちなみに先ほどセミちゃんがポストカード作りを体験したパピルス館では、カラフルな和紙の絵馬づくりも体験できます!

色とりどりの絵馬に、それぞれの願い事が書かれていました。
私も次に訪れた時にお願い事を書いてみよっと!

この岡太神社・大瀧神社は、GO FOR KOGEIの会場にもなっています。開催期間中は3名のアーティストが、神社を舞台に新しい伝統の世界観をプロデュース。独創的な世界に、ぜひ遊びに来てくださいね。
六本木 百合香 《Kawa KAMI》 2022 和紙、アクリル絵具、ペン / 写真:方野公寛
◆蒔絵のアクセサリー作り ─ 駒本蒔絵工房
次に向かったのは駒本蒔絵工房 / KOMAYAさん。
ここでは漆で文様を描き、金粉を蒔いて固める「蒔絵」が体験できます。
イヤリングやブローチ、キーホルダーなど様々なアクセサリーに蒔絵を施せます。
私はイヤリングを作ることにしました。

教えてくださったのは、この道約50年の駒本長信先生。


…先生!手が震えます!

震えとるなぁ。
先生とお話をしつつ、初めての蒔絵を進めます。
お弟子さんたちも優しく見守ってくれている。
美しいお庭に癒されながら、贅沢な時間。

なんとか完成!
か、可愛い!
私、耳にこのイヤリングがついていたら、鏡と出会う度に確認してしまうに違いない。
…そう思わない?

RENEW 2022では蒔絵を施したアクセサリー作りの体験はもちろん、猫ちゃんの首輪などの新作も販売されるそうです。とっても素敵な空間なので、ぜひ訪問してみてくださいね。
◆やっとお昼だ! ─ 越前そば「御清水庵」
2つの体験と観光をしているうちに、なんと時刻は13時をまわっていました。
お腹の音を我慢するのにちょっと必死。

ここは越前そばが楽しめる「御清水庵」さん。
人が入れ替わり立ち替わり入っていく、大人気店です。

店内も雰囲気があって素敵。
福井県に初めて訪れた私は「そもそも越前そばとは?」の状態。
何もわからないので、一番オススメのおろしそばを注文。

(え?そばに出汁をかけるの!?)
(「見てからのお楽しみ」なんてしなければ良かった…本当かなぁ…)
と思ってしまいました。
でも、信じて「いただきます」!


おいしい!!
大根おろしのぴりっとした辛みと出汁の美味しさが、そば本来の味を引き立たせてる…!
次に福井に来たら、そのときも越前そばは外せないなぁ。
◆スマホスタンド作り ─ 鯖江駅前眼鏡

再び鯖江駅に戻って、鯖江駅眼鏡さんに行きました。
ここでは眼鏡と同じ材料で、お箸やネームプレートなどが作れます。
私はスマホスタンドを作ることにしました。
色合いに悩みながらも完成!

好きな色であっという間に作れました!
このスマホスタンド制作もRENEW 2022で体験できるみたい。

カラーも豊富だし、スワロフスキーやパールを付けて、様々なアレンジができて楽しいですよ。何よりリーズナブル!(※詳細はRENEW 2022 公式ホームページでご確認ください。)
そんなこんなで、楽しい時間はあっという間。
帰る時間がやってきてしまいました。
鯖江駅から福井駅に向かいます。
◆福井駅で恐竜時代にタイムトリップ

「福井駅には恐竜が住んでいる」。
これは一年ほど前に耳にした情報。
本当にたくさんいました。

トリックアートもあったので挑戦してみたけれど、運動に自信がない私はすぐ食べられてしまいそう。
影となら仲良くなれそうだから、撮ってもらいました。

では、サンダーバードに乗って新大阪駅に帰りましょう。

◆サンダーバードで新大阪へ!

金沢から大阪までを繋ぐ「サンダーバード」に乗って帰りました。
電車に揺られている間のお供の飲み物や食べ物って少し悩んでしまう。
だって良い気分に浸りたいんだもの。
特に帰路なんて、思い出を振り返る最高の時間なんだもの。

お供に選ばれたのは、駅で買ったメガネクッキー。
一日で鯖江に染まっているのが写真で丸わかり。

2024年春、金沢駅~敦賀駅間の開業に向けて工事中の北陸新幹線が見えました。
夕方、西日に照らされながら動く外の景色を眺めながらこの旅を振り返る。
贅沢な記憶と電車の揺れが心地よくて「まだ終わりたくないな」と目を閉じた。
◆新大阪駅に到着
新大阪駅に到着しました。

フィルムカメラもお疲れ様。たくさん頑張ってくれてありがとう。
では、旅を振り返ってみよう。

初めて降り立つ土地の不安感など1mmも感じないくらいに、心がずっと温かい旅だったな。
訪れる先にある人々の優しさ、そして土地の温もりをフィルムカメラに残せたことが何よりも嬉しい。

「…撮れてる?」って終始ちょっと心配だったけど(笑)。
あ、そうだ!
歩いていたら、カブトムシを見つけた。

カブトムシって見つけるとワクワクしちゃわない?
あれ?私だけ??
この子も北陸旅に出かけたからこそ出会えたんだよなぁ。

この旅で私が伝えたいこと。
それは今回、旅で出会った伝統工芸は、現代人の私の目にもどれも魅力的に映ったということ。
そして伝統工芸に携わる方々からは
「RENEW 2022やGO FOR KOGEI2022にたくさんの方に訪れて欲しい、伝統工芸に触れてみて欲しい」
という気持ちがいっぱい伝わってきました。

そうだよね、この先も生きていくのは私たちなんだもの。
私たちこそが伝統を知らなくては。
そんな気持ちが膨らみました。

みなさんも、足を運んでみませんか。
ものづくりのまちへ。
◆RENEW 2022 / GO FOR KOGEI 2022の情報
今回セミちゃんが訪れた工房体験は、主にRENEW 2022のイベント期間内にも体験ができます。紹介したスポットの他にも、普段出入りできないものづくりの工房などが開放されます。
貴重なものづくりの現場を、ぜひ見学したり体験したりしてみてくださいね。詳細はRENEW 2022 公式ホームページでご確認ください。

また福井県を含む北陸3県では、北陸工芸の祭典GO FOR KOGEI 2022も開催しています。GO FOR KOGEI 2022は、富山、石川、福井の北陸3県を舞台に、広域的なアートエリアの形成を目指し、工芸の魅力を国内外に発信する取り組みです

2022年9月17日(土)~10月23日(日)開催!
2022年は「感情をゆらす、工芸の旅」をテーマに、重要文化財に指定された寺社仏閣3会場で同時開催する特別展など、北陸を旅するきっかけとなる様々なプログラムをお届けしています。こちらも詳細はGO FOR KOGEI 2022 公式ホームページでご確認ください。
これからを紡ぐ私たちだからこそ、伝統を知り、愉しみ、未来に繋げていきませんか?
著者:セミ
編集:アオタビ編集部
※新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで、撮影時等、必要な場合のみマスクを外して撮影しました。
※掲載写真はセミさんが撮影したフィルム写真に加え、一部編集部の機材で撮影したものも掲載されています。