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特集

特集 現在に受け継ぐ招魂・鎮魂の祭祀 神楽とは

「踊ることで神を招くこと」が神楽の原点となった

〜神代の昔〜神と豊作を祝ったのが原点

 八百万の神がいるといわれる日本では、全国各地で「神を招く」神楽が伝承されている。岩屋に隠れた天照大神を誘い出すため、天鈿女命が踊った舞が神楽の祖といわれている。大きくは宮中で舞われる「御神楽」と、一般の神社や民家で行われる「里神楽」に分かれるが、地域で脈々と受け継がれてきたのは「里神楽」だ。その土地の文化が色濃く表れ、庶民の手で継承されてきたのが最大の特徴といえる。
 神楽はかつて、神楽の語源とされる「かむくら」という神座を設けて舞われていた。作物の実る秋に行われるのが一般的で、多くは「古事記」「日本書紀」で伝えられる神話が演目となっている。

ひろしま神楽(イメージ)写真提供:大森神楽団

 面白いのは、振り付けもテンポも地域によって違うところ。例えば、島根県石見地方の「石見神楽」は、六調子のゆるやかなリズムと、八調子の活発なテンポが共存している。壮麗な衣装や火花を用いた舞台演出は圧巻で、観客を巻き込むエンターテインメント性も豊かだ。

 また近年、神楽が盛んな地域として知られる広島では、石見から伝わったとされる芸北神楽や十二の舞を奉納する安芸十二神祇神楽、瀬戸内の島々でひそかに行われる芸予諸島の神楽などを総称して「ひろしま神楽」と呼び、県内200を超える神楽団が活動している。

 天孫降臨伝説のある九州地方の神楽も趣深い。宮崎県高千穂地方の「高千穂の夜神楽」は、徹夜で行われる夜神楽。規則正しいリズムに合わせた巧みな舞が、神話を分かりやすく説いてくれる。途中、眠気覚ましの舞を差しはさむなど、見る人を飽きさせない工夫もある。素朴で原始的ながら、神と戯れる楽しさを今に伝えている。
 長崎県五島列島に伝わる「五島神楽」は、室町時代から口伝えで受け継がれ、芸風や曲の調子から7つに分かれる。観客の目前で披露される臨場感あふれる神楽だ。  
 秋風の吹くころ、笛や太鼓の音とともに舞われていた神楽も、現在はより多くの人に見てもらおうと、各地で定期公演が行われている。気軽に訪れてみたい。

  • 高千穂の夜神楽(イメージ)

  • 高千穂の夜神楽(イメージ)

  • 五島神楽(イメージ)

神々の世界の壮大なドラマを演出するため、さまざまな道具が用いられる。その一部をご紹介。
神楽によって特徴が違うので、神楽鑑賞の際にぜひ注目したい。

傾ける角度等によって豊かな表情を見せる「面」。石見神楽では石州和紙を柿渋入りの糊で貼り重ねて作られた面が使われるほか、高千穂神楽などでは桐や楠を彫って作った面が使われる。広島の芸北神楽では、着面せずに化粧を施す場合もあり、神楽によって面の使い方にも違いがある。

色彩豊かな「衣装」も、神楽の見どころ。石見神楽やひろしま神楽の衣装は特に艶やかで、別珍に金糸・銀糸の刺繍を施した絢爛豪華なものもある。社中や舞子によって異なる彩りを楽しむのも神楽鑑賞の醍醐味だ。

高千穂の夜神楽では神楽宿とよばれる民家の一室や公民館が、石見神楽では神社ややぐらが「舞台」となる。細部は神楽によって異なるが、いずれも天蓋や注連縄、飾り物などの舞台飾りを巡らした四角い空間で舞が行われる。四隅は、東西南北の方角を示すという。

演目の展開に応じて舞台を盛り上げる。笛、太鼓、手拍子(金属製の打楽器)などの和楽器で、時にダイナミックに、時に幽玄な調べが奏でられる。

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