トップページ > 会員サービスのご案内 > おとなび > 観光特集 > 特集 2019年1月号
特集 2019年1月号
全国津々浦々 桜が彩る風景を訪ねる

日本列島に暖かい風が吹き込む3月下旬、いよいよ桜のシーズンが到来する。全国津々浦々、個性豊かな桜を求めて春爛漫の絶景ツアーに出かけよう。
東日本の花見名所を訪ねて
日本全国、土地それぞれに花見名所があるが、今年はちょっと特別な桜を求めて、旅に出てみてはどうだろう。雄大なアルプスや歴史感じる古城で見る桜は、いつもとはひと味ちがう春の思い出になるはずだ。東日本の桜の見頃は西日本より少し遅く、4月上旬から下旬。西日本の桜を楽しんだ後に、東西の桜名所を見比べてみるのも楽しい。
アルプス×一本桜〔山梨県韮崎市〕
わに塚のサクラ
わに塚の由緒には諸説あるが、一説にはこの地を治めた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の王子・武田王(たけだのきみ)の墓として「王仁(わに)塚」と呼ばれるようになったという。塚の上に立つエドヒガンザクラは、推定樹齢330年、幹周り3.6m、樹高17mの名木で、満開の時期には両腕を広げたような威風堂々とした姿が美しい。「見頃の時期には夜間のライトアップを行っています。日中の迫力ある一本桜も見事ですが、夜桜の幻想的な姿もおすすめです」と韮崎市役所の東大祐さん。見頃は4月中旬。冠雪の八ヶ岳や茅ヶ岳を背景に、一本桜ならではの情緒的な景色を楽しむことができる。
-
朝焼けと一本桜。奥に八ヶ岳を望む -
夜間ライトアップの様子
わに塚 桜の見頃:4月上旬
場所 | 山梨県韮崎市神山町北宮地624 |
---|---|
電話番号 | 0551-22-1991(韮崎市観光協会) |
交通手段 | 韮崎駅から市民バス「武田八幡入口」下車、徒歩約5分 |
古城×桜〔長野県伊那市〕
高遠城址公園
長野県伊那市の高遠城址公園は「天下第一の桜」と称されるほどの桜の名所。江戸時代の高遠城では、馬場にいる馬の姿が散った桜の花に埋もれて隠れたという。現在の高遠城址公園の桜は、明治時代の廃城後に旧高遠藩の藩士たちがその「桜の馬場」から移植したのが始まりとされ、本丸にはこの時に植えられた樹齢130年以上の老木がいまなお残る。これに加え、毎年4月上旬~中旬には約1500本ものタカトオコヒガンザクラが咲き、赤みを帯びた小さな花が荘厳な景色をつくり出す。さくら祭り期間中の夜間ライトアップもお見逃しなく。
-
高遠城址公園 -
春の桜雲橋
高遠城址公園 花の見頃:4月上旬~中旬
場所 | 長野県伊那市高遠町東高遠 |
---|---|
電話番号 | 0265-78-4111(伊那市観光協会) |
開催時期 | さくら祭り期間中は8:00~17:00(最盛期は6:00~22:00)、その他期間は見学自由 |
休業日 | 無休 |
料金 | さくら祭り期間のみ有料(500円) |
交通手段 | 伊那市駅からJRバス「高遠駅」下車、徒歩約15分 |
春の花々×桜〔福島県福島市〕
花見山公園
写真家の故・秋山庄太郎が「福島に桃源郷あり」と絶賛した花見山公園は、養蚕農家の阿部家が副業として畑に花を植え始めたことから始まった。1936年に阿部伊勢次郎が「前の雑木山を花の山にすれば美しい山になる。それは、農家でなければできない楽しみだ」と考え山に花を植えたところ、見物人が集まるようになり、ついに1959年「花見山公園」として開放するに至ったという。以来半世紀の間、年中花咲く桃源郷のような場所として、人々を魅了してきたのだ。春にはトウカイザクラやヒガンザクラのほか、山吹色の小花が可憐なレンギョウや、紅色や白色の丸みを帯びた花を咲かすボケなどが、まさに百花繚乱の絶景を見せてくれる。
-
見渡す限りの花々 -
花見山と吾妻小富士
花見山公園 花の見頃:4月上旬~下旬
場所 | 福島県福島市渡利 |
---|---|
電話番号 | 024-526-0871(花見山情報コールセンター ※3月~4月下旬のみ) |
開催時期 | 見学自由(個人宅のため日没~早朝は不可) |
交通手段 | 福島駅から福島交通バス「花見山入口」下車、徒歩約25分(桜開花期間中は福島駅から直行臨時バスを運行) |
海際に咲く山桜を求めて九州へ

福岡から高速船で約1時間。玄界灘に浮かぶ長崎県の壱岐島といえば、『魏志倭人伝』にその記述が残るほど、太古から栄えた島だ。島内には古墳群や史跡があり、神楽などの独自の文化が育まれているのも面白い。近年は、その美しい海を利用したマリンスポーツなどのアクティビティが楽しめる島として、観光客が集まっている。
この地域の桜名所といえば、ほかではなかなかお目にかかることのできない海と桜の景色が広がる半城湾だ。島の南西に深く切り込んだ穏やかな湾で、湾岸の崖に自生する山桜を遊覧船の上から眺めることができる。また、約50分の遊覧船のコースでは、群塊としては日本北限という海中の珊瑚塊を見ることもでき、離島の美しい自然景観を余すことなく楽しめるのがうれしい。青碧の海面に白い山桜の花弁が舞う、なんとも爽やかな春の景色は、わざわざ足を運んでも後悔しない絶景だ。
-
岩肌と海と山桜のコントラストが美しい -
穏やかな海を遊覧船が進む
壱岐 海桜遊覧 花の見頃:3月下旬~4月上旬
場所 | 乗船場:郷ノ浦漁港(長崎県壱岐市郷ノ浦町麦谷触) |
---|---|
電話番号 | 0920-42-2020(勝本町漁協辰の島観光案内所) |
開催時期 | 3月下旬~4月上旬 |
営業時間 | 1日4便(10:00~、11:00~、14:00~、15:00~)※最小催行人員5名 |
休業日 | 期間中無休 |
料金 | 1500円 |
交通手段 | 西唐津駅から九州郵船フェリー乗り換え、印通寺港下船、車で約20分 |
鳴門海峡と桜吹雪の心に残る風景

徳島県鳴門市の北端、大毛山と三石山の挟間にある花見山は、鳴門海峡を眼下に望む絶景スポットで、春はとくに多くの観光客で賑わう。毎年3月下旬になると、麓の駐車場から山頂の「心の手紙館」まで徒歩約7分の道のりを、350本ものしだれ桜が埋め尽くす。ひとつの敷地に咲くしだれ桜の本数では日本一といわれるだけあって、見渡す限りのしだれ桜は圧巻の美しさだ。山頂では、風に揺られながら美しい桜吹雪を見せてくれるしだれ桜と、その彼方に真っ白な大鳴門橋が見え、どれだけ眺めていても見飽きることがない。
ここへきたら、もうひとつ楽しみたいことがある。それは、手紙を希望した年数後に届けてくれるタイムカプセルのようなサービス「心の手紙」。この美しい景色を眺めながら、数年後の自分や家族、恋人へ、思いのたけを綴ってみてはいかがだろうか。忘れた頃に届く手紙が、またこの絶景を思い出させてくれるに違いない。
-
心の手紙館から大鳴門橋を望む -
しだれ桜のほか、さまざまな春の花を楽しむことができる
花見山 心の手紙館 花の見頃:3月下旬~4月上旬
場所 | 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦大毛234-35 |
---|---|
電話番号 | 088-687-3555 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
休業日 | 火曜 |
料金 | 無料(心の手紙申し込みは別途必要) |
交通手段 | 鳴門駅から徳島バス「八木の鼻」下車、徒歩約13分 |