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特集 2019年10月号
光輝くハウステンボスのクリスマスを訪ねる
光の滝・ブルーウェーブ
全国のイルミネーションランキング「イルミネーションアワード」総合エンタテインメント部門で6年連続1位を受賞※。きらめきに包まれたファンタスティックナイトが今年も幕を開けます。
※主催:(一社)夜景観光コンベンション・ビューロー、ぴあ株式会社
ヨーロッパを再現した街角でイルミネーションに酔いしれる
気品漂う欧州の街並みを彷彿させるハウステンボス。数あるイベントの中でも人気なのが、世界最大級という約1300万球のイルミネーションに園内一円が包まれる幻想的な「光の王国」だ。
展開されるのは、宮殿の壁一面に4K映像を投影する「3Dプロジェクションマッピング」、運河が虹色に輝く「光と噴水の運河」、音楽に合わせて光が変化する「光のアンブレラストリート」といった壮大な光のマジック。他にも“満点の星空”などをイメージした多彩なイルミネーションが旅情漂う街角いっぱいにあふれる。
さらに今年は、「白銀の世界」と名付けられた新スポットも登場。光に彩られた教会のそばに、1万個ものクリスタルが輝きを放つ高さ約15メートルのツリーが飾られるなど、これまでにない演出が話題だ。
クリスマスを盛大に祝うハート型のキュートな花火
本場ヨーロッパのようなロマンチックな教会の演出に加え、今年のクリスマス期間のイベントは一段とスケールアップ。園内のアートガーデン(花と緑のエリア)に、光の装飾を施したクリスマスギフト&ホットワインなどの屋台が並ぶ「クリスマスマーケット」がお目見え。賑やかにフェスティバルムードを盛り上げる。
また、12月21日から25日の5日間はクリスマス花火を開催。クリスマスソングに合わせ、大輪の花がリズミカルに夜空に舞い上がる。ハート形をしたかわいい花火には、あちこちから大いに歓声が上がるはず。
まばゆいイルミネーションと澄んだ夜空に瞬く花火のコラボ。特別なクリスマス・ナイトで、ひと味違う冬の夜のひとときを過ごしてみたい。
異国情緒あふれる城下町・平戸
平戸の町並み
歴史の1ページを飾った町を訪ねる
平戸島と周辺に点在する大小およそ40の島々からなる平戸。北は玄界灘、西は東シナ海を望む九州西北端というロケーションから、古くは遣隋使や遣唐使の寄港地に選ばれるなど、海外の玄関口としての歴史を歩んできた。
そうした中で、もっともドラマチックなのはキリスト教との関わりだろう。長崎県内での布教はここ平戸に始まったといい、島内に信仰が爆発的に拡大。しかし、厳しい禁教の時代が訪れ、多くの信者が「潜伏キリシタン」となるに至り、長い苦難の歴史をたどることとなった。
十字架が輝くカトリック教会の尖塔に寺院の重厚な瓦屋根。静かな街を散策すれば、平戸ならではの重層的な歴史の面影がふと現れる。日本と西洋の文化が互いに尊重し合い、交錯する抒情的な風景は、心に染み入る美しさだ。
17世紀に入って、平戸は徳川幕府の許可を得て日本最初で唯一の西洋貿易港となり、異国文化の発信地としての全盛期を迎える。
オランダ船やイギリス船が入港した当時を彷彿させるのが、国指定史跡の「平戸和蘭商館跡」に復元された「平戸オランダ商館」。平戸オランダ商館とは、1609年に平戸城主・松浦隆信の導きで平戸に設置された東インド会社の東アジアにおける貿易の拠点。1641年に長崎・出島へ移転するまでの約33年間、日本唯一の貿易港としてにぎわいました。
復元された館内では、貴重な展示品や映像で平戸の歴史を知ることができる。
周囲には、市街地からの火災防止などを担った「オランダ塀」、灯台の役目を果たした「常燈の鼻」をはじめ、井戸や石垣といった商館時代の遺構も現存する。心地よい潮風を感じながら、ゆっくりめぐってみたい。
海鮮にスイーツ。平戸の“ じげもん” に舌鼓
海に囲まれた平戸の“じげもん(長崎弁で地場もの)”といえば海鮮。イカにトビウオ、地タコ、アワビ、伊勢海老、アジ、イサキ、カンパチ、サバ、メジナ、マグロなど、四季折々に旬の海の幸が出迎えてくれる。冬の味覚は団扇海老、ヒラメ、カキ、クエといった豪華なラインナップ。島根県松江市の郷土食として有名な「鯛めし」の元祖とウワサされる「鯛茶漬け」もおすすめだ。
おみやげには、かつて平戸藩“門外不出”とされた「カスドース」を求めたい。カステラ生地を卵黄に浸し、煮立てた糖蜜で揚げ、グラニュー糖をまぶした極上スイーツで、カステラとはひと味違う上品な甘さが特徴。どこか郷愁を誘う素朴なフォルムも魅力的だ。
絶景に出会いに生月島へ
サンセットウェイ
断崖絶壁が織りなす奇跡のビュースポットの数々
全長約960メートルのトラス橋「生月大橋」で平戸島と島の東南端が結ばれる生月島は、今なお、潜伏時代の信仰をつづける信者が暮らす「かくれキリシタン」の島として知られる。島内には歴史に翻弄された数多くの史跡が点在し、また雄大な景観も注目ポイントだ。
それらビュースポットを結ぶのが、西側の屈曲に富んだ海岸線沿いを走る通称「サンセットウェイ」。断崖の向こうには青く輝く東シナ海、水平線に近づいては遠ざかるカーブの連続、その景色は日本にいることを忘れさせるダイナミズムに満ちている。鷹の巣トンネルを越えれば展望台もあるので少し足を止めて、大パノラマを楽しみたい。
北上すれば、南北約500メートル、高さ約20メートルにわたって柱状節理が広がる「塩俵の断崖」が現れる。柱状の奇岩が連なり、まるで“俵を積み上げた”ようにも見えることから命名されたという。西側につづく断崖絶壁の中でも断トツの迫力と造形美を誇り、長崎県新観光百選のひとつに選ばれる景勝地になっている。
島の最北端は「大バエ」と呼ばれる80メートルもの切り立った断崖。「バエ」とは「碆」と書き、海に突き出した岬状の岩礁を指す言葉だという。そこに立つのが白亜の「大バエ灯台」。全国的にも珍しいとされる灯台の展望台からは、条件が整えば遠く壱岐なども望めるそうだ。