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特集 2020年4月号
一身に“涼”を感じる さわやかな初夏の旅
春が過ぎ、少しずつ暑さを感じ始めるシーズン。そんな時季には、涼やかに、そして穏やかに過ごせる長野県、富山県、高知県の旅へ。各地にある絶景の数々が、上質な“涼”をもたらします。
長野県で心安らぐ癒やしのひとときを
1990年、長野県茅野(ちの)市に開園した「蓼科(たてしな)高原 バラクラ イングリッシュ ガーデン」。約1万平方メートルの地に、設計から石工、ガーデナーまで、すべてを英国人専門家が手掛けたという英国式庭園が広がっています。英国から移植したバラなどの草花や、日時計やアーチ、銅像などの造形物が織りなす光景が、私たちを癒やしの空間に誘ってくれます。お庭の見えるカフェレストランのテラス席で、鳥のさえずりに耳を傾けながらアフタヌーンティーをいただき、ゆっくりと過ごすのもおすすめです。アフタヌーンティーのスコーンやスイーツは、併設の工房で手作りしたこだわりの逸品。ブティックや、園芸用品、手作りお菓子、雑貨などを揃えるショップも併設されています。思い思いの過ごし方をお楽しみください。
また、同県同市の標高1,500メートルの山中にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」もぜひ訪れたい名所。静かな水面に四季折々の情景が鏡のように映り、息をのむほど美しい幻想的な景色を生み出しています。時間帯によっても印象が変わるため、何度訪れても楽しめるスポットです。日本を代表する画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の作品『緑響く』のモチーフとなったことでも知られています。
そして、同県諏訪(すわ)市では「諏訪大社」にご参拝を。諏訪大社は全国一万有余の諏訪神社総本社であり、上社(かみしゃ)は本宮(ほんみや)と前宮(まえみや)、下社(しもしゃ)は春宮(はるみや)と秋宮(あきみや)に分かれて鎮座しています。「上社本宮」は幣拝殿と片拝殿のみで本殿を持たない、諏訪造りという独持の様式が特徴的。徳川家康が造営寄進したという四脚門など、貴重な建造物の数々は必見です。
雄大な自然に魅せられる富山県と長野県
360度見渡す限りの絶景を楽しむ
標高3,000メートル級の峰々が連なる北アルプスを横断し、富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」。総延長約37.2キロメートルの道のりを、富山県側の立山駅から長野県側の扇沢駅まで乗り物を乗り継ぎ、景勝地をめぐります。今回は、その中でも特におすすめの景勝地をいくつかご紹介します。
まずは、立山黒部アルペンルートの最高地点、標高約2,450メートルに位置する「室堂(むろどう)」。ここでは、北アルプスの山々が広がる壮観な眺望が楽しめます。あわせて、北アルプスで最も美しい火山湖と称される「みくりが池」も訪れましょう。残雪の純白と水面の深いブルーの色彩は、一度見たら忘れられない美しさです。
室堂から立山トンネルトロリーバスで約10分、断崖にそびえ立つ「大観峰(だいかんぼう)」もおすすめ。標高約2,316メートルの高さから黒部湖や後立山連峰の大パノラマを見下ろすことができます。
次は、大観峰から立山ロープウェイで眼下に広がる絶景を眺めながら約7分、到着するのは「黒部平」。黒部平は、黒部平駅の前に広がる黒部平庭園から望む雄大な山景色や、約100種の高山植物が植えられている黒部平高山植物観察園などが大きな見どころです。
そのあとは、黒部平から黒部ケーブルカーで約5分の場所にある「黒部湖」へ。湖畔沿いの遊歩道をゆっくりと歩いたり、展望台から湖の全景を楽しんだりと、エメラルドグリーンに輝く黒部湖を近景、遠景ともに満喫しましょう。続いて、ダム堰堤の上を徒歩で移動し、日本一の高さで有名な「黒部ダム」にも訪れます。黒部ダム駅に隣接する階段を上った先にある展望台は、最も高い位置から黒部ダムを一望できる絶好のビュースポット。そのほか、ダイナミックな観光放水などは必見です。
そして、立山黒部アルペンルートとあわせて行きたいのは、落差日本一を誇る富山県立山町の「称名滝(しょうみょうだき)」。立山連峰を源流とし、落差は約350メートル、水しぶきをあげながら勢いよく流れ落ちる滝が大迫力。立山連峰の雪解け水が多い春には、称名滝の右側にハンノキ滝が現れ、2つの滝が流れ落ちる珍しい光景に出合えます。
見どころ多彩な富山県や長野県の大自然の中で、開放感を存分に味わってください。
神秘的な空間に包まれて
水の名所で初夏を涼やかに過ごす
高知県については、“水”にまつわる絶景をご紹介します。
仁淀川町に位置する「中津渓谷」では、約2.3キロ続く遊歩道を歩きながら、渓谷をゆっくりと散策しましょう。中津明神山に降る雨が長い時間をかけて作りあげた壮大な水の森の中には、雨竜の滝や紅葉滝、竜宮淵、石柱など水の名所が点在しています。「仁淀(によど)ブルー」と称される、澄んだブルーを堪能しましょう。
高知県の西南端、大月町の「柏島」は、周囲約4キロの小さな島。海水の透明度の高さは、「船が宙に浮いて見える」といわれるほど。透きとおったエメラルドグリーンは見飽きることがありません。豊後水道と黒潮の流れがぶつかる海域に面していることから、日本の海で見られる魚の約3分の1にあたる約1,000種が生息しているともいわれ、ダイビングスポットとしても人気です。
「四万十川(しまんとがわ)」は、津野町から中土佐町、四万十町、四万十市を流れる四国地方最長の河川です。四万十川を代表する風景といえば、上流から下流に数多く残っている沈下橋。欄干がなく、川の増水時、橋が水面下に沈むことで流失しないように設計されています。日本の原風景が残る、自然豊かな景色を満喫しましょう。
土佐清水市にある、四国最南端の岬「足摺岬(あしずりみさき)」もおすすめのスポット。太平洋に突き出た足摺半島の先端にあり、展望台からは太平洋や絶壁など、ダイナミックな光景を望むことができます。水平線がアーチ状に見え、丸い地球を実感できるのだそうです。
今年は長野県、富山県、高知県へ、大自然を味わう初夏の旅に出かけてみませんか。