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〜知る人ぞ知る“もうひとつの顔”との出会い、生まれ変わる名勝や新スポットが続々〜旅のプロに聞く【中国・北陸エリア】の注目スポット&おすすめツアー

【2022年10月17日】

いまだ制限のある日常が続くなか、ますます「旅に出たい!」という思いを募らせている方も多いのではないでしょうか。九州~中国~北陸の各地には、皆さんを待っている素敵な風景や美味しい食べ物、魅力的な観光地がたくさんあります。2022年の今だからこそおすすめしたい旅先はどこか?全国を飛び回り日々旅行を企画する旅のプロフェッショナル・(株)読売旅行の関西企画グループ 大阪企画チームの方々にお話をうかがいました。

今回お話をお聞きした方々 (株)読売旅行 関西企画グループ 大阪企画チーム 植田 亮 担当課長 植田 亮さん
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中国地方で今おすすめしたい山口県

第2回で取り上げるのは、中国エリア(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)と北陸エリア(福井県、石川県、富山県)です。
前赴任地が広島という中国地方のスペシャリスト・植田さんにお話をうかがいました。

「私どもが今、中国地方でおすすめしているのは山口県です。元乃隅神社や角島が、いわゆる“映えるスポット”としてSNS発信で広まりました。これに下関や萩、岩国の名所を加えたツアーを作っています」と植田さん。海をバックに鳥居が並ぶ元乃隅神社や青い海を渡る角島大橋の“絶景”は、やはり実際に行ってみたいという声が多いのだそうです。

萩も定番の観光地ですが、「ツアーには明倫学舎を加えました。江戸時代の藩校を起源として、つい最近まで小学校として使われていたという日本最大の木造校舎なんです。こちらが整備され、一般見学できるようになりました」。ツアーでは、松下村塾など定番スポットも抑えつつ、目新しいスポットも加えるように工夫しているそうです。

植田さんが特におすすめしたいと言うのが、錦帯橋。「実際に訪れるとスケール感がありますし、町並みの雰囲気もよく、岩国は結構見どころが多いんです。岩国寿司という名物の押し寿司などもありますよ」。

現在、山口県はツアーを利用すると値段的にもかなりおトクになっているのだとか。幕末・維新の史跡や話題性のある風景を訪ねるチャンスかもしれません。

松下村塾(イメージ)

もうすぐ復活?宮島の大鳥居

広島県を代表的する名勝・宮島(嚴島)も、来年にかけて動きがあるそうです。「現在嚴島神社の大鳥居が修復工事のため囲われていますが、年内には囲いが取れるようです。宮島口周辺もリニューアルが進み、大きく変化しています。宮島は今後注目ですね」と植田さん。島には嚴島神社に付随する7つの社があり、来年にはこれらを船から参拝する“七社クルーズ”を企画しているのだとか。「大鳥居も、クルーズ船から今まで見た事のない角度で見てもらえるのではないかと思います」。

さらに、広島にお住まいだった植田さんが挙げたのが、「安芸灘とびしま海道の島々、大崎下島の御手洗(みたらい)。それから大崎上島のホテル清風館などはおすすめの場所です」。御手洗は江戸時代からの町並みが残る重要伝統的建造物群保存地区。「どんな時計でも修理するという時計店があったり、すごく個性的な町なんです」。呉から橋で繋がっており、船を使わず行くこともできます。

一方、大崎上島は船でしか行けない島。「ホテル清風館は島の高台に建っているホテルで、瀬戸内海を見渡す絶景の露天風呂があります。こちらには東京の一流ホテルにいらしたバーテンダーさんがおられまして。広島では話題ですね」。

植田さんが付け加えておすすめしたいと言うのが、海軍の町・呉。「てつのくじら館は無料で入館できる場所ですが、実際の潜水艦内部にいる感覚を味わえたり、見どころが多いんです。隣の大和ミュージアムと合わせて楽しんでいただけると思います」。

てつのくじら館(イメージ)写真提供:広島県
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この夏登場!
新たな観光列車で岡山の県北へ

「岡山県で注目したいのは、『SAKU美SAKU楽(さくびさくら)』というJRさんの観光列車です。岡山駅から県北へ向かう列車で、車体自体もかなりレトロな気動車(キハ40系)を使っています」と植田さん。こちらは2022年7月に運行が始まったばかり。車体は淡いピンク色の1両編成で、内装はどこかノスタルジックな雰囲気。列車内では、岡山ならではのお弁当やスイーツを味わうこともできます。

「行き先の津山は、鉄道の町。津山まなびの鉄道館があります。扇形機関車庫などが見どころですね。それから輪っか状のタブレット(列車の通行証)なども見ることができます。シニア世代の方なら懐かしいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね」。

岡山の県北には他にも新しい名所があるそうです。「蒜山高原にGREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)という施設ができました。こちらは建築家・隈研吾氏の設計で、東京から移築したものです。大変個性的な形をしていますので、単純に建築物として見どころです」。こちらは2021年7月にオープンした観光文化発信拠点施設で、地元で話題のスポットなのだとか。

植田さんは、中国地方で特に女性人気が高い旅先が岡山県にあると言います。「それは倉敷です。私が中国地方で女性におすすめするスポットを挙げるならば、倉敷の大原美術館と島根県の足立美術館になりますね」。

大原美術館(イメージ)

島根が誇る人気3名所と、
知られざる名所

島根県安来市の足立美術館は、美術コレクションと壮大な庭園が圧巻のミュージアムです。「実は足立美術館は、島根県でツアーを組む時には外せない場所なんです。出雲大社、松江城、足立美術館、この3つですね」と植田さん。いわば島根の三本柱ですが、植田さんは以前少し趣きの違うツアーも組んだことがあるのだとか。

「松江城が国宝に指定された時、島根県の3つの国宝建築をめぐる旅というのを作ったことがあります。松江城と出雲大社、もうひとつは神魂(かもす)神社といって、日本最古の大社造の社殿がある神社です」。神魂神社は松江市郊外にあり、まったく観光地化されてないお社。国宝建築が山あいの静かな場所に鎮座しているのも、神話の国・出雲らしい話です。

印象的な風景では、宍道湖に沈む夕陽も見どころ。「夕陽は条件が揃わないと美しくは見えないんです。私は松江に住んでいたこともありますが、夕陽が見えそうな日だと、湖畔に観光客や地元の人が集まったりもしていましたね」。

植田さんはもうひとつ穴場スポットを教えてくれました。「結構おすすめなのが、加賀(かか)の潜戸(くけど)遊覧船です。複雑に入りくむ山陰海岸の岩場が見られるのですが、こちらは洞窟を通り抜けたりします。神話の舞台との言い伝えもあり、少しスピリチュアルな感覚を味わえますよ」。

ちょっと神秘的で、いにしえから守られた自然や歴史に触れられるのが、島根の旅の醍醐味かもしれません。

松江城(イメージ)

砂と妖怪の鳥取県に、
話題の観光施設が続々登場!

お隣の鳥取県には、旅行業界が注目している食のテーマパークがあるそうです。「大江ノ郷自然牧場という場所です。八頭町にあるのですが、たまご屋さん(鶏卵ファーム)が経営している食事施設で、他では食べられない卵を使ったスイーツやオムライスなどが話題になっていますね」。自然豊かな中山間地域にカフェやレストラン、リゾートホテルなどが併設されており、農業体験もできるそうです。

「新スポットとしましては、鳥取砂丘に今年新たな観光施設ができました。鳥取砂丘会館の敷地内にできたカフェで、屋上は展望施設になっています。これまた隈研吾氏の設計ですね」と植田さん。この新名所は今年8月にオープンした『タカハマカフェ』。まるで木のオブジェのような独特な建築物で、鳥取名産の梨を使ったメニューなども楽しめます。

「近くには鳥取砂丘 砂の美術館もあります。今年でもう14期目の展示になりますので、すっかり定番の観光スポットになりました」。第14期の展示は今年夏から始まっており、今回のテーマは“エジプト”です。

「鳥取県では境港もよくツアーに組み込まれますね。特に水木しげるロードが人気です」。街角には『ゲゲゲの鬼太郎』の妖怪ブロンズ像が立ち、JR境線にはキャラクターが描かれた鬼太郎列車が走ります。ユニークな仕掛けが定着した妖怪の町は、山陰屈指の漁獲量を誇る港町。美味しい水産物にも注目です。

定番スポットに加え、各県に目新しい観光施設や観光列車などが登場している中国地方も、今行きたい旅先として要チェックです。

境港(イメージ)©鳥取県

二大観光地だけじゃない!
福井のもうひとつの顔

続いて北陸エリア(富山県、石川県、福井県)についても、数々の旅行企画を手がけてきた植田さんにお聞きしました。

「この秋、北陸地方で力を入れているのが福井県です。テーマは“福井のもうひとつの顔”です」と植田さん。福井といえば東尋坊と永平寺が2大有名観光地ですが、「関西からのお客様ですと、その2ヶ所は既に行かれた方が多いんです。そういう方でもまだ見ていないかもしれない場所をツアーに選びました」。

植田さんが福井の目玉にしたいと言うのが、今年秋に誕生する新施設です。「一乗谷朝倉氏遺跡博物館が今年10月にオープンします。私も見学会に行ってきたのですが、実物大の居館の一部など、戦国時代の雰囲気を味わえる展示になっていると思います」。ツアーでは博物館で資料やジオラマを見学した後、実際の遺跡に行って復原町並を歩き、スケールを実感してもらうのだとか。

こちらのツアーでは、平泉寺白山神社と岡太神社・大瀧神社もめぐります。「平泉寺白山神社は、苔がびっしりと生えた風景写真で割と知られているかもしれません。岡太神社・大瀧神社はほぼ無名ですが、複雑な屋根の構造は一見の価値があります」。ツアーには、知る人ぞ知る魅力的な名所を見つけてほしいという思いが込められています。

「旅先では地産地消のモノを食べたいという方も多いと思いますが、このツアーでは勝山市の『花月楼』という食事処で、地元の食材を使った郷土料理をご用意しています」。こちらは明治時代の花街にあった旧料亭で、築約120年という国登録重要文化財。“傘天井”という独特な建物にも注目です。

岡太神社・大瀧神社(イメージ)

注目は能登!圧巻の大寺院や観光列車

石川県で植田さんが注目しているのは能登半島です。「あまり知名度はないかもしれませんが、輪島市に總持寺祖院という禅寺があります。昨年開創700年を迎えたお寺で、30~40分では見きれないほどの規模があるんです。能登半島にこんなお寺があったのか!と驚かれるかもしれません」。永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山(明治時代に神奈川県に移転)の祖院(元の大本山)で、約2万坪という広大な境内に数々のお堂が建ち並びます。

「能登は鉄道も面白いですね。私鉄になりますが『のと里山里海号』、それからJR西日本さんの『花嫁のれん』などの観光列車があります。特に『花嫁のれん』は、私どものツアーで使わせていただくことも多いですね」。金沢で特急サンダーバードから『花嫁のれん』に乗り換え、和倉温泉へ向かうルートはすっかり定番になったのだとか。「和倉温泉は能登の入口としても重要な場所ですし、北陸では人気のある温泉地。加賀屋さんなど有名な旅館も多く、安定した評判がありますね」。

加賀百万石の城下町・金沢ついては、「金沢のおすすめ観光地ということですと、王道になりますがやはり兼六園とひがし茶屋街ですね」と植田さん。最近では近江町市場も観光客人気が高まっていると実感されているそうですが、「金沢には他にも金沢中央卸売市場がありまして、そこも結構リーズナブルに新鮮な魚介料理がいただけるんです。ツアーが可能かどうか調査中ですが、そういう場所を加えられたら面白いかなと思っています」。

ちなみに金沢は食事できるお店が豊富なため、金沢宿泊のツアーでは、あえて夕食をフリーにする場合が多いのだそうです。

兼六園(イメージ)

カニ、美景、紅葉!今、富山が面白い

富山県では、少し変わった注目スポットを教えていただきました。「射水市の新湊では、紅ガニ(ベニズワイガニ)の昼セリをやっているんです。市場でのセリは通常は早朝ですが、観光客にも見てもらおうということで昼にやっている珍しいセリです」と植田さん。冬の北陸の味覚の代表・カニですが、この紅ガニはズワイガニよりも漁の解禁が早く、漁場が近いため漁獲量も比較的安定しているそうです。

昼セリは『新湊漁港』で行われます。「セリの様子を見学した後、目の前で競り落とされたカニをすぐに茹でていただけるんです。これはお客様も喜ばれます」と植田さん。すぐ隣には、帆船海王丸が繋留されている海王丸パークなどもあり、観光地としても面白いエリアだそうです。

新湊には、もうひとつ注目されている場所が。「射水市の内川です。こちらは写真映えするスポットで、“日本のベニス”とも呼ばれています」。内川は、北前船の中継地として栄えた運河沿いの港町です。両側に民家が並ぶ運河に漁船が連なる風景は、どこか詩的な美しさ。最近では映画やドラマのロケ地に使われることも多いそうです。

「富山のツアーですと、新湊や高岡を回って、夜は宇奈月温泉に宿泊することが多いですね」と植田さん。宇奈月は富山県屈指の温泉地ですが、秋シーズンは何といっても紅葉の名所となります。「黒部峡谷の大自然が色づく紅葉は、やはり素晴らしいですよね。黒部峡谷トロッコ列車と立山黒部アルペンルートをセットにしたツアーは、北陸では一番の花形ツアーだと思います」。立山黒部アルペンルートは、ツアーに参加すると交通手段の手配や細かな予約などの手間が省けるため、より快適に回ることができるそうです。

射水市の内川(イメージ)

プロが教える“旅のコツ”とは?

最後に、旅行に出る時に何か“コツ”のようなものがあるか、植田さんにおうかがいしました。「ツアーに参加するにしろ、個人で旅行するにしろ、まずは早めに行く場所を決めることですね。旅行会社でパンフレットをもらってきてもいいですし、ネットでいろいろ見るのもいいでしょう。行き先を決めたら、1ヶ月くらいかけてその場所をじっくりと調べてみるといいですよ」。植田さんは下調べなど、旅の準備している間が一番楽しい時間と言います。「準備している間も、旅行なんです」。

旅行ツアーというと、以前はスケジュールがびっしり固まっていて、観光バスで次から次へと移動する…なんてイメージもありました。しかしコロナ禍以降はかなりゆとりのある日程で組まれているツアー商品も増えているそうです。「ですので、事前に行きたいお店などを調べておけば、予定表を見て、“これくらいの時間があればあのスイーツの店に行ける!”となります。あとになって“あれを食べておけばよかった!”と後悔されるお客様もいらっしゃいますので」と植田さん。「もちろん、ツアーの途中でどこかにいなくなってしまわれるのは困りますが(笑)」。

植田 亮さん

旅のプロのお話なども参考にしながら、行ってみたい旅先、そこに行く理由を見つけてみてはいかがでしょうか。あれやこれやと思いをめぐらせるうちに、あなたの旅はもう始まっています。

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