【2022年12月20日】

誰もが日本地図で見たことがある独特の形をした佐渡島。日本海では一番大きな島で、特別天然記念物のトキを始めとして、世界遺産に推薦されている金山や美しい海の風景など自然の宝がたくさん詰まった島なのです。今回はそんな自然の宝があふれている佐渡島をご紹介しましょう。
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※掲載情報は2013年07月31日にAll Aboutに掲載されたものをリメイクしたものです。
自然の宝がいっぱいの佐渡を満喫しよう!
日本海に浮かぶ島の中で一番大きな島、佐渡(さど)。
誰もが日本地図を広げた時に気がつく独特の形をした島です。
江戸時代、徳川幕府の庇護の元に発展した佐渡金山や特別天然記念物のトキ、美しい海が創り出した絶景など、まさに自然の宝がいっぱい詰まった島です。
今回は、そんな自然の宝を満喫できる佐渡の見所をご紹介しましょう。一つの島の中にたくさんの見所がありますので、ゆっくりとした時間を過ごすのにぴったりですよ。
日本海で一番大きな島、佐渡

佐渡は、新潟県の日本海に浮かぶ島。中央がくびれた独特の形をしています。面積だけで言うと日本で一番小さい香川県の約半分を占める大きさで、これは日本海に浮かぶ島の中では一番大きな島です。
島を一周すると260kmほどあり、これは東京から浜松までの距離とほぼ同じくらいにあたります。
佐渡へ向かうには、新潟、直江津より佐渡汽船のフェリー、ジェットフォイルを利用します。
新潟からのジェットフォイルで約1時間5分、フェリーで約2時間半と、短い時間の船旅で佐渡に行くことが可能です。
新潟から両津へのルートが一番運航本数も多いので、都合にあわせて便利に移動できますね。
美しい朱色の羽根を持つ
トキに会いに行こう

自然の宝が満載の佐渡、まず最初に訪ねたいのは、特別天然記念物のトキがいる風景。
「ニッポニア・ニッポン」という学名がついていることでも知られていますが、乱獲などにより世界的に数が激減していて、現在では日本と中国にしか生息していない貴重な鳥です。
佐渡はトキの生息地の一つで、数が激減した後に設けられたトキ保護センターにて、人工繁殖により少しずつ数を増やしており、将来はトキが野生で暮らしていけるように慎重に進められています。

佐渡トキ保護センターは、新穂(にいぼ)地区にある佐渡市トキの森公園の中にあって、トキ資料展示館の中にある観察回廊から、トキ保護センター内にあるトキが暮らすケージを遠くから見学可能です。
観察回廊からトキが暮らすケージまでは距離が離れているので、トキの姿は置かれている双眼鏡を通して見る形になります。カメラを望遠モードにして写真撮影することも可能ですが、フラッシュは厳禁なので撮影時には十分注意しましょう。

続いては、佐渡でしか体験することができない貴重なものをご紹介しましょう。
佐渡にしかないたらい舟を体験しよう

自然の宝が満載の佐渡、続いては直江津からのフェリーが到着する小木(おぎ)へ。
ここには佐渡にしかない「たらい舟」があります。「たらい舟」とは、地元の漁師がサザエやアワビ、ワカメなどを獲る時に乗っていた"たらい"のこと。
佐渡ならではの漁の光景が、観光客も体験できるようになり、人気の観光ポイントとなりました。

杉で造られたたらい舟は、大人3人まで乗ることができ、そのたらい舟を衣装をまとった女性の船頭さんが器用に漕いで、周辺をくるりと一周分漕いでくれます。
途中で手持ちのカメラで記念撮影もしてくれますし、たらい舟の動かし方をレクチャーしてもらって、実際に動かす体験もできます。
ガイドもレクチャーを受けて挑戦してみましたが、コツがつかめず全く進みませんでした。そんな出来事も旅の想い出の一つにできそうですね。
千石船が寄港した
当時の雰囲気が今も残る宿根木

自然の宝が満載の佐渡、続いては佐渡の南側に位置する宿根木(しゅくねぎ)へ。
ここは千石船による交易で賑わった街。船が出入りする入江のすぐ近くに船大工や回船業など船に関わる人たちが中心となって、街ができあがりました。
外壁がすべて板張りになっていたり、屋根の上には石を載せるなど、独特の建物が狭いスペースの中に連なる風景は、江戸時代からほとんど変わらない貴重なもの。現在では国の重要伝統建造物保存地区に指定されています。

2件の建物については、有料で内部を公開していますので、ゆっくり見学して当時の雰囲気を味わってみるのもいいですね。
千石船と縁の深い宿根木では、江戸時代末期に建造した「幸栄丸」を当時の設計図を元にして現代に復元しました。
船の名前は「白山丸」。町並みから少し小木よりに離れた小木民族資料館にて「白山丸」を見学することができます。間近で見るとその大きさと迫力に驚きますね。
現代に甦った千石船「白山丸」、航海に出ることはありませんが、年に1度、7月最後の日曜日に行われる白山丸祭りにて、展示スペースから人力で表へ出て、真っ白な帆を掲げた姿を披露します。

続いては、佐渡を象徴するキーワードでもある佐渡金山に向かいましょう。
日本最大の金山だった佐渡金山

自然の宝が満載の佐渡、続いては佐渡の中部に位置する相川(あいかわ)へ。ここは佐渡金山と共に賑わった街です。
相川の少し山間に位置する佐渡金山は、江戸時代初期に発見された後、元号が平成に変わった直後まで実に388年間に渡り金を生産し続けた日本最大の金山です。
佐渡金山の豊かな金は、徳川幕府の財政を長きにわたって支えることとなり、幕府の天領として金山に関わる人たちで大いに賑わいました。

時代が明治に変わった後は国の直轄として最新技術による採掘作業の近代化に邁進。三菱財閥に払い下げになった後も新潟県で初めての水力発電所を開設するなど近代化を進めてきましたが、金の採掘量の減少により金山としての使命は終わってしまいました。
しかし、現在では佐渡有数の観光スポットに変わり、一部の坑道が見学できるように整備されています。
気軽に佐渡金山の坑道を見学できるコースは2つあります。
宗太夫坑(そうだゆうこう)コースは、江戸時代の手彫りの坑道を歩きながら金の採掘について人形による動く説明を見るコース。
もう一つの導遊坑(どうゆうこう)コースは、明治時代の坑道を歩きながら、近代化が進んだ鉱山技術の機械類などを見学していくコースです。

それぞれのコース見学はまったく趣きが異なり、入場料もそれぞれにかかります(共通券による割引あり)ので、見学時間をたっぷり取って両方を見るか、どちらか片方だけを見る形になります。
片方だけの見学の場合、佐渡金山の基本的なことを知りたいという方は宗太夫坑コースを、山頂から金を掘り進めたことで山の形がV字に変わってしまった佐渡金山のシンボル、導遊の割戸(どうゆうのわれと)の真下や間近に行きたいという方は近代化産業遺産にも選ばれている導遊坑コースをお薦めします。

そして、見学コースの最後は金山資料館と売店となっており、金山資料館では、ケースの中に入っている本物の金の延べ棒(12.5kg)をさわることができます。
また売店の外では金箔ソフトクリームが売られているなど、まさに金づくしの体験が味わえます。

佐渡金山の見学が終わった後は、今度は大佐渡スカイラインの方向に移動してみましょう。車で数分進むと左手に真っ赤な鉄塔が見えてきます。これは三菱財閥時代に掘られた大立竪坑。その大きさには今でも圧倒されますね。
なお佐渡金山は、佐渡島内にあった鶴子銀山などと共に2013年現在、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として世界遺産の暫定リストに掲載されて、近い将来世界遺産に登録されるのを待っています。
日本最大規模の鉱山跡として、いろいろな施設がしっかり残されていることもあり、もし世界遺産への登録が決まった時はさらに多くの方が訪れることになるでしょう。

佐渡奉行所にも立ち寄りたい

相川の市街中心部から佐渡金山へ向かう途中にある佐渡奉行所。徳川幕府の天領となった佐渡を収めるために江戸時代初期から奉行所が置かれました。
何度か焼失してしまっており、現在は2001年に復元された建物が当時の雰囲気を再現する形でたたずんでいます。内部の見学も可能で、金の精錬が体験できる勝場(せりば)も設けられています。
近くにある佐渡版画村美術館とあわせてゆっくり見学するといいですね。

続いては、佐渡を取り巻く美しい海の風景を紹介しましょう。
美しい海の風景を満喫。
巨大な岩が創り出した風景に驚く

自然の宝が満載の佐渡、続いては佐渡をとりまく美しい海の風景をご紹介します。
相川にある尖閣湾(せんかくわん)では、地殻変動により隆起した海岸段丘が日本海の荒波に削られてできた尖った岩が立ち並ぶ風景。
揚島遊園に入場することで、尖った岩々が創り出した独特の風景を眺めることができますし、海面近くまで遊歩道を降りて、遊覧船で海から眺めることも可能です。
離れた所から見る海の風景では、島内にある標高1000メートルを超える山を縫うように走る大佐渡スカイラインから見下ろせる展望スポットもお薦めです。
見通しが良ければ佐渡の形が垣間見える美しいカーブを描く真野湾の海岸線を望むことができますよ。

そして佐渡には、巨大な岩のことを"亀"と呼ぶところが多く、美しい海とのコラボレーションにより、巨大な岩が創り出した自然の造形に圧倒されるスポットがあります。
代表的なものが、島北端近くにある二ツ亀。巨岩が2つ並んでいて、その前は夏になると海水浴場となり、多くの人々でにぎわいます。

そして二ツ亀の近くには、高さ167メートルにも及ぶ巨岩でできている大野亀があります。大野亀の前に広がる草原では、6月になるとカンゾウの黄色い花が周囲を埋め尽くす風景も楽しめます。
ただ花がなくても目の前に現れる巨岩の迫力はきっと旅の記憶に残ることでしょう。

自然の宝が満載の佐渡をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
一周するだけでも2日では足りないほどの広さと観光スポットが点在していますので、自然の宝を感じにゆっくりと日数をかけて佐渡へ渡ってみて下さい。
佐渡へのアプローチ方法
・新潟港から向かう場合
上越新幹線
新潟駅下車。連絡バスに乗車して、新潟港の佐渡汽船乗り場へ。新潟港からは佐渡汽船のジェットフォイルまたはカーフェリーで両津港へ。
・直江津港から向かう場合
北陸新幹線
上越妙高駅下車。えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン・直江津行で直江津駅へ。
直江津駅からは、連絡バスで直江津港へ。直江津港からは佐渡汽船のジェットフォイルで小木港へ。
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