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大人のイマ旅 オール巨人さんが行く冬の京都でほっこり歴史と食を楽しむ洛中紀行

※新型コロナウイルス感染症の影響により、イベント・観光施設が一時閉鎖・中止・延期になる場合がございます。最新の情報につきましては、各公式ホームページ等でご確認ください。

1200年の都、京都。ようやくインバウンドも手伝って活気を取り戻しつつある京の街を、漫才界の巨匠、オール巨人さんが訪ねました。あいにく雲の多い空模様ながら、時に雪もちらつく情緒たっぷりの街並みをのんびり散策。寺院や見所をそぞろ歩きながら、温かいお食事にも舌鼓。優しいお人柄で、京の街の人たちとの会話も和やかに弾みました。

旅の始まりは京都駅ビル
空中径路から眺望する京のパノラマに感動

京都駅

駅に降り立って最初に向かったのは京都駅ビルの空中径路。「花月があるので月に2度は京都へは来るんやけどね…」と話しながら、実は京都の街をゆっくりと観光したことがないとおっしゃるオール巨人さん。その分、今回の旅はとても楽しみにされていたご様子。長いエスカレーターをのぼりながらいよいよ空中径路を進むと、目前に京都タワーもそびえる絶景スポットへ到着。「131メートルあると聞きましたが、タワーそのものは100メートルと教えてもらいました。タワーとしては通天閣の方が高いですよね!(通天閣は103メートル)」とほほ笑みます。

京都タワー

背景に広がるパノラマの中に、五山の送り火の場所を見つけると「ここは特等席やね、送り火もよー見えるんやろね」と指さしながらご満悦。清水寺、平安神宮の赤い鳥居、確かにこの地点からは様々な名所がよく見えます。京の街並みに迎えられ、オール巨人さんの旅が始まりました。

清水寺、平安神宮の赤い鳥居、確かにこの地点からは様々な名所がよく見えます。

京都駅ビル 空中径路
住所:〒600-8216 京都府京都市下京区東塩小路町
電話:075-361-4401(駅ビルインフォメーション※営業時間 10:00~19:00)
営業時間:10:00~22:00
料金:無料

世界遺産 仁和寺
お坊さんの案内で書院や庭園をゆるり散策

京都三大門のひとつ仁和寺の二王門

京都三大門のひとつ仁和寺の二王門では、仁和寺執行の橋本さんがお出迎え。その由緒について真剣に耳を傾けます。仁和寺は仁和4年(888年)に宇多天皇により建立。天皇自身も譲位後に出家し入寺、その後も歴代住職の多くを天皇家から迎えたことから、門跡寺院としても知られる寺院だそう。この日は京都デスティネーションキャンペーン 第57回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開のルート(通常は建物内から拝観しますが、期間中は庭園におりて拝観できる)がお目当て。

仁和寺執行の橋本さんがお出迎え。

まずは回廊をめぐりながら「白書院」などの御殿の見事な襖絵に思わず息を飲む。修繕中の黒書院を目の当たりにして「これはぜひ、また来なあかん。きっと黒書院も豪華なんでしょうね」と期待を隠せないご様子。案内の橋本さんと和やかにお話しされながら竜王戦の舞台にもなった宸殿から特別公開のお庭へ。途中、実は親族に住職がおられることなど、お寺には縁があることを明かすオール巨人さん。橋本さんから「仏門に進まれてもきっと大物になられたと思います」と言われると、「いやいや、僕がなったとしたら、大入道でしょう」と話が弾む。

石橋がかけられた池から五重塔を望む優美な庭園

皇族門を厳かに潜り抜け、白砂が美しい南庭から北庭へ。石橋がかけられた池から五重塔を望む優美な庭園にたたずみながら「雪があると素敵でしょうね。雪ふってくれないかな」と空を見上げる。奇しくも当日は寒さの厳しい日。この数時間後には、あたり一面が見事な雪景色となりました。

五重塔を望む優美な庭園にたたずみながら「雪があると素敵でしょうね。雪ふってくれないかな」と空を見上げる。

「京の冬の旅」非公開文化財特別公開 仁和寺 御殿・庭園
住所:京都府京都市右京区御室大内33
電話:075-585-5181(9:00~17:00) 「京の冬の旅コールセンター」
営業時間:2月:9:00~16:30(16:00受付終了)、3月:9:00~17:00(16:30受付終了)
開催日程:2023年1月7日(土)~3月19日(日)
料金:大人(大学生以上)1,000円/高校生以下 無料 ※通常公開部分を含む

蹴上インクラインから南禅寺 順正へ
冷えたからだを、湯豆腐であたためる

蹴上インクラインは全長582メートルの傾斜鉄道。

蹴上インクラインは全長582メートルの傾斜鉄道。かつて京都と琵琶湖を結ぶ希望の水路の一区間として京都の近代化を支えました。春は桜の名所としても有名ですが、この日の午後はほのかに雪模様。ゆるりと線路を下って、すっかり冷えたからだをあたために、湯豆腐の名店・南禅寺 順正へ向かいます。

和辻哲郎の「古寺巡礼」にも語られる趣のあるお庭を観ながら玄関へ。

和辻哲郎の「古寺巡礼」にも語られる趣のあるお庭を観ながら玄関へ。登録有形文化財である順正書院で名物の湯豆腐をいただきます。湯豆腐は江戸期より南禅寺の周辺で発祥したとされる鍋料理だそう。順正で用いるお豆腐は特製の木綿豆腐。温めると少し膨らみ、絹のような舌触りに。ゆずがほのかに香る湯豆腐を、まずは何もつけずに大豆の本来の味を楽しみます。

登録有形文化財である順正書院で名物の湯豆腐をいただきます。

お次は醤油ベースの専用のタレでもう一口。塩味と出汁の香、そしてお豆腐があいまって、至上の味わいに。「湯豆腐発祥の地でいただけるのは、本当にありがたい。芯からあたたまりますね。窓から見える風景も情緒たっぷりですね」とオール巨人さん。「春夏秋冬、湯豆腐を供されてるのですか?」「夏は冷たいお豆腐も出しますが、9割は湯豆腐を注文されます」とお店の方との会話も弾みます。

この日いただいたのは「花コース」で、湯豆腐(湯葉も選べます)をメインに田楽や野菜天ぷら他が味わえる。せっかくなので京都名物の湯葉もリクエスト。豆乳をお鍋で温めて出来立ての湯葉を食せるのがうれしい。竹串を使って鍋の淵から、つつーっと出来立ての湯葉をはがしてポン酢でいただく。「歳を重ねると嗜好も変わるもんですね。湯葉の上品な風味がなんとも言えない。贅沢ですね」とすっかり魅了されたご様子。「冬の京都でいただく湯豆腐と湯葉。正直、温かい日本酒が飲みたくなります」。歴史あるお部屋と雪景色、熱燗が恋しくなるのは日本人の特権かもしれません。

順正書院

南禅寺 順正
住所:京都府京都市左京区南禅寺門前
電話:075-761-2311
営業時間:11:00~20:00LO 21:30閉店 (不定休)
料金:花コース 3,630円(税込)

鷲野染工場 手捺染へのこだわり
世界へ発信するメイドイン・キョウト

鷲野染工場

京都の一乗寺といえばいまやラーメンの激戦区、けれどもこの日はラーメンではなくこだわりの手捺染職人さんを訪ねて鷲野染工場へ。染料特有のにおいが、モノづくりの現場の緊張感とともにただよう。代表取締役で染色加工職人でもある鷲野さんから、さっそく作品や手捺染のお話をお聞きします。

手捺染とよばれる手法は布地に染料などを印捺して染色する手法。 スクリーン型を使って染料を刷り込むので、繊細なデザインも可能にするという。いま力を入れている作品として「錯視(目の錯覚で模様が動いて見える)」のデザインを拝見。立命館大学の北岡明佳教授とのコラボレーションで、海外の有名アーティストのアルバムにも採用されたメイドイン・キョウトです。「蛇の回転」と呼ばれるデザインを用いたシャツを見て「これは脳の錯覚で動いているように見えるんですね。僕が見えてる動き方と、人が見るのではまた違う」

いま力を入れている作品として「錯視(目の錯覚で模様が動いて見える)」のデザインを拝見。

「でも本当に動いて見えるんですね」と不思議そうなオール巨人さん。いくつものスクリーン型を用いて少しずつ色を重ねていく。そんな説明を聞きながらも合点がいかない。聞くより見る方が早いということで、さっそく鷲野さんによる実演を拝見。
工場内には一台25メートルに及ぶ作業台が整然と並ぶ。実際にはここに長い生地を張って染めていくが、この日は実演ということでその一部を使って見せてもらいます。生地の上にスクリーン型を載せて、その上から色糊(染料と糊を混ぜたもの)をスキージ(大きなゴムベラ)を使って伸ばして刷り込んでいく。スクリーン型を変えてまた別の色をのせる。これを繰り返すことで美しいデザインパターンが浮かびあがる。

真剣な表情の鷲野さんに緊張しますか?と質問するオール巨人さんに、「ええ、巨人さんの前ではさすがに緊張してますよ」と謙遜しながらも正確無比な手作業をつづける。

真剣な表情の鷲野さんに緊張しますか?と質問するオール巨人さんに、「ええ、巨人さんの前ではさすがに緊張してますよ」と謙遜しながらも正確無比な手作業をつづける。「すごい!色を入れるたびに、文様がどんどん立体的になっていきますね」と新鮮な驚きを隠せない。鮮やかに染め上がった作品を前に「日本にはまだまだ色んな技術があるねんな~」と感心するオール巨人さんに、鷲野さんが手捺染の体験を勧めさっそく挑戦することに。

この日は体験ということでTシャツづくりにチャレンジ。まずはデザインパターンを選ぶ。「どれにしようか?迷いましたが、これにします。波の文様です。このどこまでも続いていきそうな感じが好きです」とデザインを決めて、次はいよいよ顔料をひとつずつ重ねて染めていく。黄、黒、そして赤色で染め上げた波の文様のTシャツをさっそく試着。「黄色と黒がよく効いてます。僕は巨人やけどタイガースファンなんで!ぴったりです」とオリジナルの手捺染シャツをすっかりお気に入りのオール巨人さんでした。

オリジナルの手染シャツをすっかりお気に入りのオール巨人さんでした。

(有)鷲野染工場
住所:京都府京都市左京区一乗寺大新開町43
電話:075-721-5611
営業時間:8:00~17:00(日祝休)
料金:Tシャツ手捺染体験 2,500円~(要相談・事前予約制)

創業明治二年の老舗 モリタ屋
石畳の向こう側、絶品すき焼と鴨川の風情

石畳みの路地に面して数えきれない店舗が居並ぶ先斗町。

石畳みの路地に面して数えきれない店舗が居並ぶ先斗町。南北に走る路地からはさらに細い路地が交錯しまるで迷路のよう。モリタ屋もそんな路地の奥の方、鴨川を望む場所に位置します。もとは牛肉の卸からはじまり約150年。毎日、全国から選りすぐりの和牛を提供されているそうです。

鴨川を見下ろす和室でいただくのは特選すき焼き。

鴨川を見下ろす和室でいただくのは特選すき焼き。香り立つ牛脂の上にザラメが弾け甘い香りがただよう。割下をあわせ、霜降りのお肉をさっと焼き上げるスタイルです。「すごいお肉がきました。どれくらいぶりかな、こんなに軟らかいお肉。今日のお肉はどこのお肉ですか?」「へーえ。岩手県産のA5ランクですか。割下も甘すぎずちょうどええ。これはもうビールが飲みたくなりますね」「霜降りやけど、すごく上品な脂。なんぼでも食べられる」。ついお箸も進み大きめのお肉をぺろりと3枚を召し上がることに。

「今日は初めての京都にたくさん出会えました。久しぶりに京都でゆっくりして、師匠のこと思い出しました。岡八郎師匠と毎日、京都行っってたんですよ」と当時へ思いを馳せる。

「今日は初めての京都にたくさん出会えました。久しぶりに京都でゆっくりして、師匠のこと思い出しました。岡八郎師匠と毎日、京都行っってたんですよ」と当時へ思いを馳せる。歴史や染色の技法に感動して、〆は美味しくてちょっと懐かしい一日になったようです。

モリタ屋 木屋町店 本館
住所:京都府京都市中京区木屋町三条上る上大阪町531
電話:075-231-5118
営業時間:
月~金 (昼)11:30~15:30 最終入店14:30 LO料理14:30/ドリンク15:00
(夜)17:00~22:00 最終入店20:45 LO料理21:00/ドリンク21:30
土日祝 11:30~22:00 最終入店20:45
LO (昼)料理/ドリンク14:30 (夜)料理21:00/ドリンク21:30
料金:すき焼き 特選 9,350円(税込 別途サービス料10%)

【今回の旅の動画はこちら】
https://www.youtube.com/watch?v=rTstsHILurQ新規ウィンドウで開きます


(オール巨人さんプロフィール)
1951年、大阪市生まれ。1974年に岡八朗に入門。75年にオール阪神・巨人を結成。正統派しゃべくり漫才コンビの地位を築き上げる。
「上方漫才大賞」受賞4回は史上最多。「上方お笑い大賞」(85年)、「花王名人大賞」(87年)、「大阪舞台芸術賞」(05年)など受賞多数。2019年には「紫綬褒章」を受章。漫才界の重鎮として、劇場での漫才にこだわり、舞台に立ち続けている。

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