【2023年3月3日】
立山黒部アルペンルートは3,000m級の飛騨山脈を通り抜ける世界的な山岳観光スポットで、主要中継地である室堂(むろどう)では4月から6月に「雪の大谷(おおたに)」が見られます。高さ最大20メートルの雪の壁の下をバスと徒歩で通り抜ける興奮は他では味わえません。ぜひとも足を運んでみてください。

富山県在住の翻訳家/ライター。
地元での人脈を生かしながら、足で稼いだ富山の観光情報を発信中。
※掲載情報は2017年3月8日にAll Aboutに掲載されたものをリメイクしたものです。
立山黒部アルペンルートの名所!
20mの雪の壁「雪の大谷」とは?

北陸新幹線に乗って、ぜひとも訪れたい富山県の観光スポットの1つが立山黒部アルペンルートです。全区間が中部山岳国立公園に認定される一大山岳観光スポットで、富山から長野へと飛騨山脈(北アルプス)を横断するそのルートには、樹齢1,000年の巨木が立ち並ぶ原生林、ラムサール条約に登録された標高2,000mの大湿地帯、350mと日本一の落差を誇る称名(しょうみょう)滝、火山ガスや水蒸気が噴出する地獄谷、国内で唯一の氷河などがあります。
ルート最大の中継基地として標高2,450mの地点には室堂平(むろどうだいら)という平原があり、同地には毎年の春に「雪の大谷(おおたに)」と呼ばれる巨大な雪の壁も現れます。
室堂平は世界でも有数の豪雪地として知られており、吹きだまりにはなんと最大で20mも雪が積もるのですが、春になるとGPS(衛星利用測位システム)を利用して、30t級のブルドーザーで少しずつ片側一車線の高原バス専用道路を雪のなかに掘り出していきます。その際にできる道路両脇の雪の壁を、雪の大谷と呼ぶのです。
上述したように年によっては壁が最大で20mにも達しますが、20mというと7階建てのマンションの高さに相当します。その壁に囲まれた500mほどの区間をバスや徒歩で見上げながら通り抜ける興奮は、他では味わえません。
○立山雪の大谷ウォーク基礎情報
開催期間:2023年4月15日~5月21日予定
開場時間:9:30~15:15(入場は15:00まで)
料金:無料(※交通費別途)
立山黒部アルペンルート公式ホームページ
https://www.alpen-route.com/enjoy_navi/snow_otani/
雪の大谷では4月から6月まで
イベントが盛りだくさん

月ごとに雪の大谷ではいろいろなイベントも開催されています。
たとえば雪の壁をスコップで掘り進み、新しい道を作る「くずそうユキカベ
つくろうユキミチ」や豪雪を利用した雪のトンネル。
土日祝日限定で開催される「立山ユキテラス」では、イスやテーブルがセットされた専用エリアから立山連峰や富山平野をゆっくりと眺めることができます。
5月、6月となると積雪量が心配になるかもしれませんが、平成26年度のデータを見る限り、4月20日の段階で15mあった雪の壁(最も高い場所)は、5月20日で13m、6月20日で10mと十分残っていると分かります。過去10年間のデータと比較して平成26年は少ない方でしたが、それでも6月の段階で10mも積雪が残っています。安心して遊びに来てください。
ちなみに上記のイベント以外でも、立山連峰を一望できる雪原の迂回(うかい)路(パノラマロード)や、雪壁の断面から調べた降雪時期などの情報を展示し、どのように雪が降り積もったかを知ることができる雪のカレンダー、除雪車の展示など、イベントや展示物は盛りだくさんです。全て無料で楽しめるので、ぜひとも足を運んでみてください。
○2023年のイベント・展示情報まとめ(予定)
雪の壁のスコップ堀り:4月15日~5月21日
立山ユキテラス:4月中旬~5月下旬
パノラマロード:4月15日~5月7日
雪のカレンダー:4月15日~5月7日
除雪車展示コーナー:4月15日~6月25日
雪の回廊:4月15日~6月25日
雪のトンネル:5月上旬~6月下旬
以上、立山黒部アルペンルートの大自然を体感する雪の大谷について紹介しましたが、いかがでしたか? 注意していただきたい点として、気温や天候の問題があります。4月の段階で室堂平の平均気温は1℃(午後3時)、5月は中旬で7℃、6月中旬でも12℃ほどです。
想像以上に寒いと覚悟して、真冬の服装を用意してください。雪原を歩くので女性の場合ハイヒールなど足元が不安定な靴はNGです。トレッキングシューズ、長靴を用意し、その上で手袋、マフラー、サングラスなども欠かさず用意してくださいね。
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