広島の気候風土が育む多彩な地酒を極上の和食とともに
日本料理「泉水」は、ミシュラン2つ星を獲得した「京料理 たか木」のオーナーシェフ、高木一雄氏が監修する日本料理レストラン。「懐石料理 洵(しゅん)」、「鉄板焼 渾(こん)」、「寿司 泔(かん)」の3つの和食エリアから構成される美食のステージが広がっています。ここで厳選した地元広島の食材を多く使った料理と地酒の組み合わせを提案しているのが、ソムリエとSAKE DIPLOMA(日本酒ソムリエ)の資格を持つ前原理恵さん。「広島の気候は、瀬戸内側は温暖で県北部は冷涼。地酒が生まれる土地も海沿い、里、山あいと様々です。醸される酒も甘口から辛口、淡麗から濃厚と多彩で、料理との組み合わせを大いに楽しんでいただけます」と、ペアリングの魅力をアピールします。
県内の酒蔵を巡り、味わい、受け取った想いを伝える
日本料理「泉水」で生み出される料理にはどの地酒を組み合わせるのが最適なのか、西条や安芸津など広島県内の蔵に足を運び、前原さんが中心となってスタッフ自らが試しながら厳選しています。「ワインのブドウと同じで、酒米も寒暖差や採光、日照時間などの自然条件が良くないとおいしい酒は生まれません。酒どころの一つである安芸津が瀬戸内海沿岸部の軟水を活かした酒づくりの始まりの地であるといった、酒が生まれた環境や、造り手が寄せる酒づくりへの想いなど、背景まで含めて選んでいます」と前原さん。単に提供するのではなく、酒を味わい、造り手の想いまで受け取った上で、お客様に伝えることを信条としています。より良いサービスを求めて、時間があれば食べ歩きをしながら料理と酒を常に勉強。「甘辛い味つけの料理なら、芳醇な味わいの酒を温燗や日向燗(ひなたかん)など温度を上げて提供してみよう」など、自ら体感して納得してからペアリングを提案するそうです。また、昨今の和食ブームから日本酒の需要は高まっていて、ヨーロッパの一流ホテルのトップソムリエなどが審査員を務める日本酒コンクール「Kura Master(クラマスター)」では、千福や富久長といった広島の地酒にも注目が集まっています。「海外からのお客様に対しても、お酒に込められたストーリーを伝えていくことを重視しています。『こんな酒米や酵母を使うことでこの味わいを醸し出しているのです』といったことをお話しすると会話が盛り上がりますし、酒づくりについても興味深く聞いていただけます」と前原さん。一方でアルコール度数が高く、日本酒に苦手なイメージをもつ外国人も多いようですが、最近では軽い飲み口や11〜13度くらいの低アルコール度数の日本酒も増加中。「『日本酒っておいしいね』と思ってもらえるようにしていければ」と、前原さんは“お酒のプロ”としてさらなる向上をめざします。
日本料理の良き伝統を残しつつ、新たな試みにも挑戦
日本料理「泉水」で料理長を務めているのが、ヒルトン大阪の日本料理店で料理長を務めた実績をもち、和食の道31年の坂本修二さんです。懐石料理においては、季節感とともに日本の文化・伝統を伝えることを大切にしながら料理で豊かに表現。とりわけ海外からのゲストに対しては、日本の文化を伝えるべく五穀豊穣など祈りが込められた料理をていねいに説明しながら提供すると、大いに喜んでもらえるといいます。そうした姿勢と同時に、「後世に引き継ぐべき伝統は残しつつ、新しいことを積極的に取り入れていくことも大切だと考えています」と坂本さん。淡い味わいのかぶら蒸しに塩味の強いキャビアをのせ、マッチングの妙味を楽しんでもらうのもその一例です。坂本さんが「安くておいしい」という瀬戸内を中心とした魚介や、全国生産量の約6割を福山が占めるクワイなど、広島らしさに満ちた食材の持ち味を活かしながら、広島の地酒とのペアリングを意識した巧みな料理構成も魅力的です。
地酒と秀逸料理で楽しむ“広島めぐり”のススメ
前原さんいわく、「外国人のお客様からは、広島は都会と自然のバランスがほどよく取れていて、魚介や野菜、果物、そして地酒と、おいしいものがたくさんあって人も親しみやすい街という印象を多く聞きますね」とのこと。海、里、山を擁する広島の各地で育まれた多彩な地酒を楽しむことは、その酒が生まれた地を旅する味めぐりにもなります。そんな広島の地酒と、熟練職人が厳選食材で織りなす料理のペアリングで、日本料理の奥深さを存分に楽しませてくれる日本料理「泉水」。都会と自然のバランスが良く、おいしいものが豊富にそろう広島の食の旅へと出かけてみませんか。
日本料理「泉水」
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広島市中区富士見町11-12 ヒルトン広島6F
082-243-2700
[営業時間]
11:30~14:30・オーダーストップ14:00
17:30~22:00・オーダーストップ21:00
[定休日]なし
[席数]
「懐石料理 洵」24席(個室6~8名3室)
「鉄板焼 渾」31席(個室8名1室)
「寿司 泔」10席
TEXT BY TJ Hiroshima-タウン情報ひろしま