トップページ > 会員サービスのご案内 > おとなび > 観光特集 > 特集 2019年11月号
特集 2019年11月号
幸せを授かる初詣 長野県で両参り
新たな年に向けて、幸福を祈願する長野県の両参り。長野県別所温泉のほぼ中央に位置する北向観音とそこから49キロほど北に位置する善光寺を訪れ、さまざまなご利益と神聖なパワーをいただこう。
厄を払い心が澄みわたる年始め
現世利益を願う北向観音と極楽往生を願う善光寺。長野県を代表するふたつの名刹に両参りすることで、すべての厄を払い、幸福のご利益を授かれるという。 北向観音は全国でもめずらしく本堂が北を向き、南向きに建立された善光寺とは対角線上に向かい合うように立つ。どちらか一方では片参りとなり、両参りするとさらなるご利益がいただけるとあって、毎年多くの参拝者が訪れる。 どちらを先にめぐるか決まりはないので、自分のプランにあわせてお詣りしよう。今年こそ、長野県の両参りで途切れぬ幸せを祈りたい。
多くのご利益を授かれる北向観音
北向観音は825年(天長2)、比叡山延暦寺座主・慈覚大師円仁により開創された霊場だ。 現世でのご利益を授けてくれるという千手観音を御本尊とし、本堂に祀っている。
本堂だけではなく、北向観音には見ごたえある建築物が数多い。さまざまな誘惑や困難を打ち砕いてくれるという愛染明王を祀る愛染堂は、小さいながら精緻をこらした名堂。 緑に囲まれた温泉薬師瑠璃殿や、江戸時代より絵の展示場として利用されてきた額堂(絵馬堂)など、それぞれの趣あるたたずまいに引きつけられる。
北向観音へ参拝したらぜひ体験したいのが護摩。護摩とは、「智恵の火」を焚き、煩悩に見立てた薪と供え物を投じてお浄めし、祈願する修法のこと。 厄除・家内安全・商売繁盛・身体健全・交通安全などのうち、ふたつをお願いすることができる。新年への願いを込めてお詣りしたい。
極楽往生を願う善光寺で新年祈願
境内には名建築が立ち並ぶ
創建以来約1400年、民衆の心の拠り所として篤い信仰を集める善光寺。日本に仏教の宗派が生まれる以前に創建され、無宗派寺院として長きにわたりすべての人々を受け入れてきた。御本尊・一光三尊阿弥陀如来は、人々を極楽浄土の世界へ導くご利益があるとされる。 本堂はこれまで10数回もの火災に遭ったものの、全国の信徒により復興。現在の本堂は1707年(宝永4)の再建で、江戸時代中期を代表する仏教建築として国宝に指定されている。間口約24メートル、奥行き約54メートル、高さ約29メートルを誇る、国内有数の木造建築だ。
1750年(寛延3)に建立された山門(三門)や内部に八角輪蔵が設けられた経蔵、長野オリンピックの開会を告げたことでも知られる梵鐘など、見どころ多数の寺院である。
早朝に行われる法要も興味深い
善光寺では、日々多くの法要が行われている。そのなかでも一般参拝者が参列できるもののひとつが「お朝事」。善光寺は無宗派の寺院だが、善光寺を護持する天台宗と浄土宗の山内寺院で行われる朝の勤行のことをお朝事という。善光寺においては、日の出とともに始まり、全山の僧侶が出仕して勤める法要だ。僧侶の読経と念仏が響き渡り、秘仏の御本尊が安置されている瑠璃壇の戸帳が開かれ、本堂はよりいっそう厳かな空気に。 事前申し込みをすれば、自分の願いごとを祈願していただくこともできる。
そしてお朝事に参列するならば、「お数珠頂戴」も体験しよう。お朝事の前後、お導師が参道を往復される際に数珠で頭に触れていただくと、功徳を授かることができるといわれている。
多くのご利益を授かれることから、江戸時代から「遠くとも一度は参れ善光寺」といわれる善光寺。北向観音とあわせてお詣りしよう。
さらにご利益 善光寺七福神めぐり
善光寺門前町界隈を気ままに散策
善光寺へお参りする際は、あわせて善光寺七福神めぐりも楽しみたい。善光寺門前町には、七福神を祀る寺社が7つ点在する。これらの寺社をめぐることで、さらなるご利益や深い縁を授かることができるという。
両参りと同様、めぐる順番に決まりはないが、おすすめは長野駅から出発するコース。駅には長野市観光情報センターが併設されている。まずはこちらに立ち寄り、善光寺七福神めぐりや周辺の観光情報をチェックしよう。そこから善光寺表参道を歩き、かるかや山 西光寺(寿老人)、大国主神社(大黒天)、秋葉神社(福禄寿)、往生院(弁才天)、THE FUJIYA GOHONJIN(布袋)、西宮神社(恵比寿)、世尊院釈迦堂(毘沙門天)、そして善光寺の順にめぐると移動がスムーズだ。善光寺にて早朝に行われるお朝事やお数珠頂戴に参列するならば、逆向きのルートでめぐろう。
参拝者に人気なのは、7社寺の御朱印集め。善光寺七福神めぐり専用の色紙は、かるかや山 西光寺、西宮神社、世尊院釈迦堂、長野市観光情報センターの4ヶ所で入手可能だ。御朱印を集めてまわる楽しみが、旅の気分をよりいっそう盛り上げてくれる。
善光寺七福神めぐりの所要時間は、およそ2時間。お詣りを終えた後は、さまざまなショップが立ち並ぶ門前町を自由に散策するのも良いだろう。個性豊かな名所をめぐり、新年の幸運祈願とともに、旅路を存分に楽しもう。